研究課題/領域番号 |
16659054
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
廣田 秋彦 島根大学, 医学部, 教授 (50156717)
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研究分担者 |
伊藤 眞一 島根大学, 医学部, 助教授 (10145295)
榎本 浩一 島根大学, 医学部, 助手 (70112125)
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キーワード | 光学的測定法 / 膜電位感受性色素 / 落射螢光法 / 高輝度安定光源 / タンデムレンズ / 超高輝度LED |
研究概要 |
高輝度超高安定輝度を有する光源の開発を目指し、まず基礎データとして、現在膜電位感受性色素を用いた膜電位の落射螢光法による光学測定に用いられている光源の問題点を洗い出す作業を行った。通常用いられている、落射顕微鏡を光学系とし、光源にハロゲン・タングステンランプを用いたシステムでは、実像面の拡大率として25倍から50倍程度を確保出来る場合は、十数回の加算処理と組み合わせることで、解析可能なSN比が得られることが確認出来た。この時の背景光強度は我々が受光器として用いているフォトダイオードの1ピクセル(1.35mm四方)当たりの光電流値に換算して20〜30nAであり、光源の輝度のゆらぎは、問題にならない範囲であった。しかし、測定対象にラットの大脳皮質等を用いる場合、電気活動を多数の部位から同時に記録する光学的膜電位測定法のメリットを生かす観点からすると、25倍の拡大率では測定領域が狭すぎ、より低倍で広い範囲から測定する必要がある。しかし、拡大率を小さくするとこのシステムでは背景光強度が数nAとなってしまい、解析可能なデータは得られなかった。そこで我々は、超高輝度発光ダイオードを励起光光源とし、タンデムレンズを光学系とするシステムを作製した。このシステムでは拡大率6倍で背景光強度は10nA前後であり、光源の輝度のゆらぎは、検出限界以下であった。このシステムの最大の問題点は、発光ダイオードの輝度が素子の発熱により暗くなってゆくことであり、当初の目的としている光源の改良に発光ダイオードを用いる場合でも、その対策が強く求められることが判明した。現在、ハロゲン・タングステンランプの光をレンズ外から光ファイバーにより標本に照射して励起光源とする装置を試作中であり、間もなく、どの程度の背景光強度が得られるかのデータが得られる見通しである。
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