研究課題/領域番号 |
16659061
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
佐久間 康夫 日本医科大学, 大学院医学研究科, 教授 (70094307)
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研究分担者 |
加藤 昌克 日本医科大学, 医学部, 助教授 (90143239)
木山 裕子 日本医科大学, 医学部, 講師 (60234390)
濱田 知宏 日本医科大学, 医学部, 助手 (90312058)
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キーワード | 性腺刺激ホルモン放出ホルモン / 分泌調節 / トランスジェニック / 逆行性標識 / テタヌストキシン / 性ホルモン |
研究概要 |
視床下部に散在している性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)ニューロンは、生殖内分泌系を調節する最終共通路であるが、支配する神経回路についてはほとんどわかっていない。本研究では、トランスジェニックラットにおいて逆行性トレーサーをGnRHニューロン特異的に発現させ、経ナプス的に支配ニューロンを可視化することを目論んだ。すなわち蛍光タンパク質(EGFP)と無毒化テタヌストキシンC末端(TTC)の融合タンパク質を逆行性トレーサーとして用いた。前年度に作製したGnRHプロモーター-EGFP-TTCという導入遺伝子をラット受精卵に注入し、4系統のファウンダーラットを得た。サザンブロットの結果から導入された遺伝子は1コピー(1)、100コピー(2)および300コピー(1)と推定され、これまでの当研究室でのトランスジェニックラット作出の経験から、表現型発現が期待されるレベル(100-300)にあることがわかった。野生型と交配しそれぞれ産仔を得たが、ある系統では産仔に導入遺伝子がまったく伝達されなかった。また別の系統では雌のみに導入遺伝子が伝達され、このファウンダーが雄だったことから、導入遺伝子がX染色体上にあることが示唆された。他の2系統はメンデルの法則に則って産仔が得られた。これら産仔(4週令と7週令)の脳切片を作成し、EGFP蛍光発現を検討したが、どの系統も蛍光は観察されなかった。発現したEGFP分子が蛍光として可視されるほど多くないことを予想してGFPに対する兔疫染色を試したが、これもまったく染色されなかった。 これらの結果は遺伝子導入実現が必ずしも表現型として表出されるとは限らないというトランスジェニックの宿命のためであると考えられる。現在更に系代し、表現型の確認を進めるとともに、導入遺伝子の更なる受精卵移植を検討しているところである。
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