• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2005 年度 実績報告書

Enrich環境は新規中枢作用薬開発の"うちでの小槌"になるか

研究課題

研究課題/領域番号 16659066
研究機関熊本大学

研究代表者

高濱 和夫  熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (80150548)

研究分担者 白崎 哲哉  熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助教授 (30264047)
副田 二三夫  熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助手 (10336216)
キーワードエンリツチ環境 / Gタンパク質共役型内向き整流性Kイオン(GIRK)チャネル / 鎮咳薬 / クロペラスチン / ジエチルスチルベストロール / 多動 / メタンフェタミン / CaMキナーゼII
研究概要

我々は以前、クロペラスチン(CP)がGタンパク質に共役した内向き整流性Kイオン(GIRK)チャネルの活性化電流を抑制することを見い出していた。加えて、CPは脳梗塞に伴う排尿障害を改善作用をもつことも見い出していた。本研究においては、ジエチルスチルベストロール(DES)による脳撹乱作用を始め、様々な脳機能の異常状態に対して改善作用を有するエンリッチ環境効果を、CPが持ち得るのではないか、という作業仮説を立て、1.DESの脳撹乱作用および2.メタンフェタミン誘発多動モデル、に対するCPの作用をそれぞれ検討した。1.についてはddY系のマウスを用い、妊娠11日目から17日目までDESを0.1μg/個体、経口投与した。CPは出生後32日目から41日目まで、10〜30mg/kgを皮下投与した。2.については、同じくddY系マウスを用い、メタンフェタミン0.5mg/kgを皮下投与し多動を惹起した。この多動に対するGIRKチャネル活性化電流抑制作用物質の作用を調べた。その結果以下の成績を得た。(1)CP未処置のDES曝露群では、出生後6週目に実施した受動的回避反応(PAR)試験が抑制された。しかし、CP処置群では、PAR試験は抑制されず、DESの作用は発現しなかった。(2)対照群に比べて、海馬のリン酸化型のCa^<2+>/カルモジュリン依存性プロテアーゼIIのレベルを有意に増加させた。(3)CPを始めGIRKチャネル活性化電流抑制作用をもつ薬物はメタンフェタミンの他動を抑制し、この電流抑制作用の強度と多動抑制作用の強度の間には相関性が認められた。これらの成績は、"GIRKチャネル活性化電流抑制作用をもつ中枢性鎮咳薬は、異常な脳機能に対する新しいタイプのスタビリライザーである"という我々の仮説をさらに支持する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Centrally-acting antitussives depress drug-induced hyperactivity in mice2006

    • 著者名/発表者名
      Yoshiko Fujieda, Fumio Soeda, Tetsuya Shirasaki, Kazuo Takahama
    • 雑誌名

      Journal of Pharmacological Sciences 100Suppl.I

      ページ: 238

  • [産業財産権] 注意欠陥・多動性障害の治療薬2005

    • 発明者名
      高濱 和夫, 他3名
    • 権利者名
      国立大学法人熊本大学
    • 産業財産権番号
      特願2005-281500
    • 出願年月日
      2005-09-28

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi