マウスを用いて、同種骨髄移植おける骨髄内骨髄移植(IBM-BMT)と骨髄ストローマ細胞の効果を検討した。C3Hマウスに対しC57BL/6マウス(B6マウス)の骨髄(1x10^6/匹)を従来の静注法(IV)あるいはIBM-BMTによって移植した。このとき、同時にB6マウス由来のストローマ細胞の細胞株であるPA6を骨髄内に移植(IBM-PA6)し、造血の回復に関し検討を加えた。まず、day12 CFU-Sで検討を行ったところ、IV+(IBM-PA6)群は、IV群に比較して有意に多数のCFU-Sの形成が認められた。また、(IBM-BMT)+(IBM-PA6)群ではさらに多くにコロニー形成が認められた。また、PA6のみではコロニー形成に影響は見られなかった。次に、ドナーの造血に関し検討を加えた。移植後12日目の末梢血と骨髄を検討したところ、IV+(IBM-PA6)群では、IVと比較し、(IBM-BMT)+(IBM-PA6)群では、(IBM-BMT)群より有意にdonor由来造血細胞が増加していた。さらに、骨髄から、新たに培養した骨髄ストローマ細胞に同様の効果があるかどうかの検討を加えた。B6マウスの骨髄を培養し骨髄ストローマ細胞を得て、これを用いて同様の実験を行ったところ、PA6と同様の効果が得られた。以上の結果より、ストーマ細胞はin vivoにおいても造血をサポートする能力があり、ドナー造血細胞の分化を促進する効果を有することが示された。
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