異文化を背景に持つ外国人患者がわが国の医療現場でも増加してくる中で、日本人医師・医学生による診療現場での異文化コミュニケーションの医療人類学的視点からの現状把握や分析は殆んど行われていなかった。研究代表者は自らが10年来開発研究してきた模擬患者によるアプローチを使い、異文化を背景に持つ外国人患者と日本人医師・医学生の異文化コミュニケーションのありようと問題点を明らかにするために、医療人類学的視点から分析検討を行った。 初年度は、異文化を背景に持つ外国人(アジア系、ヨーロッパ系、中南米系の3グループ)を対象としたフォーカスグループインタビューを行い、患者-医師間の異文化コミュニケーションにおいて起こりやすいコミュニケーションギャップを抽出し、それに基づいて模擬患者用のシナリオを試験的に開発した。 さらに開発されたシナリオに基づき、模擬患者のトレーニングと養成を行い、模擬患者との医療面接セッションをビデオテープに記録し分析を行った。
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