研究課題/領域番号 |
16659154
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
平柳 要 日本大学, 医学部, 助教授 (20189864)
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研究分担者 |
山口 喜久 日本大学, 医学部, 講師 (10060138)
亀井 聡 日本大学, 医学部, 助教授 (40142509)
谷島 一嘉 佐野短期大学, 学長 (40010029)
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キーワード | 瞳孔 / 自律神経 / 交感神経 |
研究概要 |
本研究は、対光反射を用いずに、光量調節反応や近見反応を起こさない条件(定照度と定焦点)下において、瞳孔の神経支配と交感-副交感神経の動的応答特性から、ヒトの自律神経機能を交感神経と副交感神経の自発性活動に分離して定量評価する新しい自律神経機能評価法を提案し、その有用性を明らかにする。そのため、研究室内に、一定の照度に調光でき、かっ最短2mの注視点(近見反応が起こらない最短焦点深度)が確保できる広さと設備を有する実験ブースを用い、被験者の片眼の虹彩をうまくビデオ撮影できるようにレイアウトした。そして、赤外線照射器から近赤外光(810nm)を目に照射し、レンズ先端に赤外線透過フィルターを付けたデジタルビデオカメラレコーダーDCR-HC88(SONY製)を用いて、1秒間30フレーム(1フレーム640×480画素)の画像をIEEE1394経由でデスクトップコンピュータに取り込むハードウェアを作成した。さらに、瞳孔をリアルタイムに計測・表示できる瞳孔計測表示アプリケーションを作成した。このアプリケーションは、最初の画像で瞳孔らしき領域を解析対象として自動認識し、一定の濃淡閾値を設定することによって、その後の各画像の瞳孔の中心座標や瞳孔輪郭を楕円で近似した瞳孔面積等をリアルタイムで時系列グラフとして表示できる。そこで、このアプリケーションを用いて、被験者が針で風船を刺して割る実験を試行したところ、針刺しの3秒ほど前から瞳孔面積の増大(散瞳)が始まり、針刺しから1〜2秒後に瞳孔面積が最大になり、その後速やかに元の大きさより小さくなった。この試行実験から、交感神経の興奮によって瞳孔面積が最大になるには1〜2秒のタイムラグが認められた。この瞳孔計測表示アプリケーションによって、交感神経の興奮状態をリアルタイムで評価できる可能性が示唆された。
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