研究課題/領域番号 |
16659156
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
小山 洋 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30143192)
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研究分担者 |
笹澤 吉明 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (50292587)
宮崎 賀織 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (30361380)
苅田 香苗 帝京大学, 医学部, 講師 (40224711)
中澤 港 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (40251227)
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キーワード | セレン / 食品摂取頻度調査 / 国際比較 / 健康影響 / グルタチオン・ペルオキシダーゼ / セレン化学形分析 |
研究概要 |
セレンは必須微量元素であり、抗酸化系酵素(GPx)の構成成分である。既に、摂取所要量が示されているが、セレンは食品群ごとに化学形が異なり、また、化学形ごとに代謝経路が異なること、魚介類中に含まれるセレンは生物学的利用率が低いことなどが知られており、どのような化学形のセレンをどの程度摂取すべきかについてはさらなる検討が必要である。 地球レベルでは、各国の土壌中セレン濃度が異なるため、一部で食品中セレン含有量の高い地域や低い地域などが知られている。本萌芽研究では、世界各国におけるセレンの化学形態別摂取量を推定するためのデータベースの構築、および化学形態別セレン摂取量と健康指標データや生体試料中のセレン指標との関連分析を目的とする。 本年度は、特に、以下の3点を行なった。 1)世界各国のフィールドから食品サンプリングを行ない、食品群ごとのセレン含有量の測定を行なった。 2)食品摂取調査に用いる簡易型食品群別摂取頻度調査票の英語版およびインドネシア語版の試作検討を行なった。 3)食物中セレンの分別分析については、セレン含有アミノ酸のHPLCにおける分別条件の検討を行なった。1)のサンプリングについては、以下の国・地域から食品サンプルの採集を行ない、また、セレン含有量の測定を行なった。採集場所よびサンプル数は、日本(岩手県)339サンプル、ベトナム7サンプル、ソロモン諸島14サンプル、フランスおよびスイス16サンプル、タイ51サンプル、インドネシア33サンプルである。 本年度の結果からは、日本の穀類野菜類についてはセレン含有量がやや低値であること。特に米のセレン含有量(n=47 1.3±0.5μg/100g)が低いこと。また、魚介類中のセレン含有量は、フールドごとの差はなくほぼ一定で、食品群別の比較では、もっとも高い(34.9-97.7μg/100g)ことが示された。
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