「Work-Family Conflict」とは、労働者が家庭内の役割(例、育児、近所付合い等)と職場業務が両立し難い事態に起因するストレスをいう。本研究では、申請期間(2年)中に、わが国の職業を有する成人男女を対象に、(1)労働ストレスとしての「Work-Family Conflict」の評価指標の開発、(2)「Work-Family Conflict」の精神的および身体的健康度に及ぼす影響の定量的評価、(3)ソーシャル・サポートによる「Work-Family Conflict」に起因するストレスの緩和効果の評価、および、(4)「Work-Family Conflict」の健康行動(例、飲酒、喫煙、等)に及ぼす影響の定量的評価、を行うことを目的としている。 平成16年度は、社会学および産業医学分野における「Work-Family Conflict」に関する文献をレビューし、論定の整理を行った。その際、以下の項目を中心に作業を行った。(1)先行研究で用いられている「Work-Family Conflict」の概念や評価指標の整理、(2)「Work-Family Conflict」の評価指標に関し、従来から提出されている疑問点の整理、(3)「Work-Family Conflict」の影響に関する知見の整理。更に、教室の大学院生と一緒に、文献的検討の成果を基に、「Work-Family Conflict」の評価指標、ならびに、質問票の案を作成し、50名程度の患者を対象にパイロット・スタディを行い、信頼性や妥当性を検討し、質問票を確定した。(661字)
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