研究概要 |
我々は地域での循環器疾患発症の危険因子を明らかにする大規模地域疫学的研究を平成14年度より既に開始しており、平成17年1月に全地域でのベースライン調査を終了し、疫学的解析および住民情報および地域発症登録情報による追跡調査に同意する26,472名の健診情報を収集した。属性情報(年齢、性別、居住地域)および、本研究にて眼底細血管瘤所見との関連を検討する一般的な循環器疾患のリスク項目(血圧、総コレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪、LDLコレステロールなど)、近年注目されるリスク項目(高感度CRP、尿中微量アルブミン尿)および、糖尿病に関連する自覚症状、既往歴、随時血糖値および採血時間、HbAlcについてデータベースを作成した。眼底写真は老人保健法にもとづく検診項目として、非散瞳カメラによる撮影を行い、35mmロールフィルムとして保存した。岩手医科大学医学部衛生学公衆衛生学講座内にてフィルムスキャナを用いて、まず平成14年度に実施した9.411例の眼底写真ロールフィルムから各画像毎に3,946×5,959画素にデジタルデータ化を行った。前述のデータベースにリンクさせることにより、当該データベースから直接画像を参照できるシステムを作成した。画像はモニタ上で1倍および1/4倍で血管瘤の確認を行えるシステムとし、現在、眼科医の指導下で眼底細血管瘤の有無の確認を行う調査員の読取訓練を開始した。平成17年度は平成15〜16年度に実施した17,061例について可能な限りデジタルデータ化を行い、また、訓練された調査員により眼底細血管瘤の有無の確認を行い、循環器疾患および糖尿病との関連を検討する。
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