現在の医療における受療者側の意志決定は、1受療者側の選好、2治療に関する科学的根拠、3専門家のスキルを統合して判断されている。モデル化に際して、専門家のスキルに関する設定を除いて、受療者の選好性と科学的根拠の強さが総合して行動選択を行うモデルを検討した。従来、科学的根拠を中心に治療に関する意志決定がなされており、本研究者は従来種々の意志決定理論を比較して応用する検討を行ってきた。本年度は、疫学的モデルを用いて生活習慣病予防の観点から行動変容に関連する情報の提供について意志決定の観点から検討を行った。疫学的モデルには、従来の疾病発症予測モデル、健康異常の発症、健診成績の悪化の3段階を扱った研究が文献上整理された。疾病発症モデルは米国で多く活用されているが、我が国では健診結果を活用した意思決定支援方法が優れていることが本研究者により明らかにされている。そこで疫学モデルの中から、リスクアセスメントを理解しやすい形式として本研究では健診成績の悪化を指標として意志決定にライフスキルの概念を導入して、自己選択による健診成績の悪化を定量的に改善してシステムを開発し、現在生活習慣改善事業に応用しており、以下の項目について現在意志決定における過程をどのような項目(運動、食事、喫煙など)と改善程度をプロセスログとして記録して、解析を以下のように計画している。検査値異常毎に生活習慣の改善に影響する要因を明らかにすることは、今後望ましい意思決定に有用な情報を提供するような解析を行う。
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