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2005 年度 実績報告書

漢方薬と西洋薬の相互作用をゲノムワイドに探る

研究課題

研究課題/領域番号 16659175
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

水上 元  名古屋市立大学, 大学院薬学研究科, 教授 (30128219)

研究分担者 能勢 充彦  名城大学, 薬学部, 教授 (60228327)
キーワード漢方薬 / 薬物相互作用 / 薬物代謝酵素 / 網羅的遺伝子発現 / SAGE法
研究概要

昨年度は、小柴胡湯(SST)または大柴胡湯(DST)を1ヶ月にわたって飲水投与したラット、および対照として水を投与したラットの肝臓からmRNAを調製し、これを鋳型としてそれぞれ約3万タグからなるSAGEライブラリーを構築し、各タグの配列から発現遺伝子の頻度を比較した。その結果、SST投与群で対照群と比較して4倍以上に発現頻度が増加している遺伝子として99種を、DST投与群で4倍以上に発現頻度が増加している遺伝子として93種を同定した。また、対照群と比較して4倍以上に発現頻度が低下している遺伝子としてSST投与群で103種、DST投与群で115種を同定した。さらに、これらの遺伝子のうち薬物代謝をはじめとして薬剤感受性に関与する遺伝子を検索した結果、ABCトランスポーター、硫酸抱合酵素、グルクロン酸抱合酵素等のサブファミリーに属する遺伝子を見出した。
今年度は、これらのトランスポーターおよび酵素遺伝子の塩基配列に基づいてプライマーを設計し、リアルタイムPCR法を用いてそのmRNA量の変動を検証した。その結果、いずれの候補遺伝子に関してもmRNA量の有意な変動は観察されなかった。さらに、SSTおよびDDTを長期投与したラット肝臓からミクロゾームを調製し、そのcytochrome P450活性をいくつかの分子種で測定して比較したが、有意な活性の変動は認められなかった。また、長期投与期間中の尿中代謝産物のHPLCプロファイルにも顕著な変動は見られなかった。
これらの結果は、健常動物にSSTやDSTを投与しても遺伝子発現のレベルでは薬物代謝酵素に顕著な影響は及ぼさず、薬物相互作用は全体として問題にならないことを示唆している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Dermal mast cells play a central role on the incidence of scratching behavior in mice induced by multiple application of the hapten, 2,4,6-trinitrochlorobenzene2005

    • 著者名/発表者名
      H.Yamashita, Y.Michibata, H.Mizukami, Y.Ogihara, A.Morita, M.Nose
    • 雑誌名

      Experimental Dermatology 14・2

      ページ: 438-444

  • [雑誌論文] Double blockade of cell cycle progression by coptisine in vascular smooth muscle cells2005

    • 著者名/発表者名
      H.Tanabe, H.Suzuki, H.Mizukami, M.Inoue
    • 雑誌名

      Biochemical Pharmacology 70・4

      ページ: 1176-1184

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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