研究概要 |
平成17年度は、食品添加物や健康食品として使用されている難消化性オリゴ糖(ラフィノース)について,その正確な大腸到達率と大腸内の腸内細菌による発酵について検討した。これまで行ってきたERBI法を用いて,回腸末端部に留置した二重管チューブより回腸液を採取し、その中に含まれるラフィノース量を測定した。また,呼気テストにより腸内細菌による大腸内での代謝・発酵についても検討した。 1,通過マーカーとして試験食と同時に摂取させたPEG 5g(消化管で消化・吸収を受けないとされる)の平均回収率は100.3±3.6%であった。このPEG回収量で補正したラフィノースの平均回収率は99.15±6.2%であり,経口摂取されたラフィノースは胃や小腸で消化・吸収されることなく,確実に大腸に到達することを証明した(投稿中)。 2,腸内細菌によるラフィノースの代謝・発酵にはバラツキがみられた。ラフィノースの腸内細菌を介する生理作用には,個人差(腸内細菌)を考慮する必要があると考えられた(投稿中)。 以上の研究成果について,日本消化吸収学会のプレナリーセッション,ポスターセッションで発表した。
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