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2004 年度 実績報告書

Musashi-1をマーカーとした胃粘膜多能性幹細胞の同定と分離

研究課題

研究課題/領域番号 16659188
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

木村 裕之  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00225054)

研究分担者 永田 博司  慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (00146599)
岡野 栄之  慶應義塾大学, 医学部, 教授 (60160694)
今枝 博之  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20203309)
キーワード幹細胞 / Musashi-1 / 胃腺 / 胃粘膜傷害 / 胃粘膜修復
研究概要

ラット胃体部組織において抗Musashi-1(Msi-1)抗体により、免疫組織化学的に幹細胞の局在を明らかにし、エタノール粘膜傷害モデルを用いてMsi-1の発現を経時的に検討した。さらに抗proliferating cell nuclear antigen (PCNA)抗体との二重染色を行い、傷害・修復過程における幹細胞と増殖細胞の動態を解析した。【結果】峡部にMsi-1陽性細胞が存在し、その下方、腺頚部の上部にも数個のMsi-1弱陽性細胞を認めた。Msi-1陽性細胞は表層粘液細胞、頚部粘液細胞、ECL cellとは局在を異にしていた。Msi-1弱陽性細胞にはpepsinogen、H+/K+-ATPaseが発現していた。非処置群ではPCNA陽性細胞はMsi-1陽性細胞下方の線頚部に分布し、その数もMsi-1陽性細胞より多かった。エタノール投与5分後には表層粘液細胞とともに峡部のMsi-1陽性細胞も剥脱した。一方、腺頚部のMsi-1陽性細胞の増加がみられ、PCNA陽性細胞は消失した。エタノール投与1時間後には壊死部にMsi-1強陽性細胞が多数出現した。これらMsi-1強陽性細胞はpepsinogen、H+/K+-ATPase陰性であった。Msi-1発現の増強はエタノール投与4日後まで続き、7日後には投与前の状態に戻った。6時間後には消失していたPCNA陽性細胞が再出現したがMsi-1陽性細胞より少なく、また一部ではその分布もMsi-1陽性細胞の上方に位置しており、幹細胞と増殖帯の位置関係が逆転していた。この傾向は4日後まで続き、7日後に非処置群と同様の分布に戻った。【結論】ラット胃の峡部に幹細胞が、腺頚部上部にprogenitor cellが存在する。傷害を受けると腺頚部の細胞が脱分化して幹細胞になり、組織を再生する。組織の修復とともに幹細胞は再分化して減少する。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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