研究課題/領域番号 |
16659190
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
鈴木 聡子 順天堂大学, 医学部, 助手 (20317431)
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研究分担者 |
池嶋 健一 順天堂大学, 医学部, 講師 (20317382)
榎本 信行 順天堂大学, 医学部, 助手 (20348973)
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キーワード | 薬物性肝障害 / TNFα / CRP / 肝マクロファージ |
研究概要 |
本研究では、薬物性肝障害の機序を消化管・肝機能枢軸の面から解明することを目的としている。アルコール性肝障害においては、腸管由来のエンドトキシン透過性亢進と、肝マクロファージ活性化に伴うTNFαなどのサイトカイン産生が肝障害惹起に重要な役割を果たすことを明らかにしてきた。薬物性肝障害にも同様の機序、すなわち薬物が消化管の細菌透過性を変化させ、肝マクロファージのエンドトキシン感受性や類洞内皮細胞の抗原提示能に変動を及ぼし、肝障害を引き起こすのではないかという仮説に基づき、動物モデルを用いて解析を進めている。具体的には、薬物が腸内細菌叢に及ぼす変化に関しては遺伝子工学的にT-RFLP法とPCR法での測定、またラットの回腸を使用し薬剤投与時のhorseradishのtranslocationを測定し、エンドトキシン透過性を検討する実験を遂行中である。 一方、サイトカイン産生のsurrogate markerとしてのCRP(C-reactive protein)を用いて、臨床症例で肝障害の指標との関連を検討した。薬物性肝障害において、γGTPとCRPの間で正の相関が、さらに男性においてはALPとCRPの間でも正の相関があることを見出した。薬物による腸管透過性の亢進が、肝マクロファージのエンドトキシン感受性を増強することにより肝障害を惹起するのではないか、その可能性につき検討中である。
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