研究概要 |
CEL多型解析方法をJ Hum Genet (2002)に準じて(GenBank AF072711.1)セットアップした。PCR混合物は、トータル20μlでDNA20ng、67mM Tris-HCI(pH8.8)、16.6mM(NH4)_2SO_4、5mMのMgCl_2、6.7μM EDTA、10mMα-メルカプトエタノール、1.5mMデオキシリボヌクレオシド三リン酸、2μlのジメチルスルホキシド、10pmolプライマーセット(forward : 5'-ACCAGGAGGCCACCCCTG-3' and reverse : 5'-TCCTGCAGCTTAGCCTTGGG-3')、そして、1unitのEx-Taq DNAポリメラーゼを含んでいる。PCRのサイクル条件は、94℃15分、続いて、94℃30秒、66℃30秒、72℃1分間を35サイクル行い、最後に72℃4分間をGene Amp PCR 9700 System用いて行った。PCR生成物は、12.5%のポリアクリルアミドゲルを用いて電気泳動して分離した。PCR産物がCEL geneであることを確認するため、クローニングし、確認した。 A.健常人、B.アルコール依存症とは診断をうけていないが、アルコールに起因する慢性膵炎と診断されている症例、C.アルコール依存症で膵障害を伴う症例、D.アルコール依存症で膵障害を伴わない症例、E.アルコールに起因しないと判断された慢性膵炎(家族性、胆石膵炎も含む)の5群で末梢血白血球よりDNAを抽出し、解析した。アルコール依存症はDSM-IVに基づき、膵炎の臨床診断は、日本膵臓学会の診断基準による。 結果は、CEL多型をNN(野生型)、NL,NS,SS,LL,SLの6種に分類した。すると、アルコール性慢性膵炎では、Lを持つ個体が他のすべてよりも高頻度にみとめられた。
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