研究課題/領域番号 |
16659221
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
松尾 清一 名古屋大学, 大学院・医学系研究, 教授 (70190410)
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研究分担者 |
高橋 雅英 名古屋大学, 大学院・医学系研究, 教授 (40183446)
丸山 彰一 名古屋大学, 医学部附属病院, 助手 (10362253)
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キーワード | 腎臓 / 発生 / ret / GDNF / CASTing / 転写因子 / 尿管芽 / 器官培養 |
研究概要 |
GDNF/GFRα1/RETシグナル伝達系はこの三者のいずれをノックアウトしても腎臓の無形成あるいは著しい低形成が認められるため、腎臓発生において非常に重要な系であることが明らかとなっている。 我々は平成15年にGDNF刺激によって誘導される新規遺伝子GZF1を報告した。GZF1のアンチセンスオリゴを添加することによりマウスの後腎器官培養での尿管芽の発育が障害されたためGZF1は腎臓発生においてGDNF/RETシグナル伝達系の下流で機能する重要な遺伝子である可能性があると考えられた。今回の研究の目的はGZF1の機能を解析して、腎臓発生における役割を明確にすることである。 GZF1はC末端に10個のZinc Finger motifを有するため、この部位でDNAと結合し転写に関わる可能性が示唆されている。無作為な26塩基のDNA配列からGZF1蛋白と特異的に結合する共通配列を抽出するためにCASTing法(Cyclic Amplification and Selection of Targets)を行ったところGZF1と親和性の高い12塩基のDNA共通配列を同定した。ゲノムデーターベースで検索したところヒトおよびマウスのホメオボックス遺伝子の一つの上流にこの12塩基のDNA共通配列が認められた。このホメオボックス遺伝子の転写調節領域とGZF1蛋白はEMSAでDNA蛋白複合体を形成し、クロマチン免疫沈降法でホメオボックス遺伝子上流との結合が検出された。さらに遺伝子転写調節領域を用いたルシフェラーゼアッセイにおいてDNA結合配列特異的な転写抑制を認めた。ホメオボックス遺伝子群は様々な器官発生に必須であることが明らかにされており、GZF1によるホメオボックス遺伝子の転写抑制が腎臓発生過程で重要である可能性が示唆された。
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