研究課題/領域番号 |
16659224
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
荻原 俊男 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (60107042)
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研究分担者 |
青木 元邦 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (00346214)
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キーワード | 高血圧 / TSC遺伝子 / NKCC2遺伝子 / 食塩感受性高血圧モデルラット / 核酸医薬 / HVJ-envelope法 / 遺伝子治療 / 分子治療 |
研究概要 |
高血圧症発症の分子メカニズムには多因子が複雑に関与しており未だ解明されておらず、詳細な分子機構の解明とそれに基づく新たな分子療法の開発が期待されている。本研究では遠位尿細管におけるナトリウムチャンネル関連遺伝子に注目し、アンチセンスストラテジーでこれら遺伝子の働きを阻害し、高血圧治療につなげることを目的とした。 FITCでラベルしたオリゴヌクレオチドをnakedタイプでカテーテルを用いて腎動脈から動注したが、遠位尿細管での明らかなFITC発色は認められず、導入を確認できなかった。さらにHVJ-envelope法を用いた同アプローチにおいてもFITC発色を遠位尿細管で確認できず、ベクターを用いても動注のアプローチでは困難であった。尿細管細胞に直接接触しうるアプローチとして膀胱からの逆行性導入を検討。末梢をクランプして膀胱に注入し、逆行性に流入させることで、HVJ-envelope法で封入したオリゴヌクレオチドの尿細管細胞への取り込みが一部確認できた。ラットWNK4のアンチセンスオリゴヌクレオチド(Positions+4 to +22 of rat sequence(Prkwnk4))を作成し、ダール食塩感受性高血圧ラットに同法で導入したが、尿中Na排泄の上昇や血圧上昇の抑制は確認できなかった(0.3% salt diet;110+8mmHg、8% salt diet;142+6mmHg、8%+antisense;150+8mmHg)。これら結果は導入効率(activityとefficiency)の低さに起因すると考えられた。
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