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2005 年度 実績報告書

高血糖下に出現する膵島外プロインスリン陽性細胞の起源と分化異常の解析

研究課題

研究課題/領域番号 16659240
研究機関滋賀医科大学

研究代表者

小島 秀人  滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (00225434)

研究分担者 藤宮 峯子  滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (10199359)
キーワードプロインスリン / 糖尿病 / 細胞融合 / TNFα / 糖尿病性神経障害 / GFP / トランスジェニック / 糖尿病合併症
研究概要

平成16年度に引き続きストレプトゾトシン(STZ)糖尿病マウス及びラットにおいて、多臓器内へ侵入する異常な骨髄由来プロインスリン陽性細胞の特徴と糖尿病性神経障害を代表とする糖尿病合併症の発現との関係について詳細な検討を行った。
1、骨髄由来の異常プロインスリン陽性細胞と合併症臓器細胞との細胞融合の発見
前年度の研究より、多臓器内に出現するプロインスリン陽性細胞は、高血糖下に骨髄で誘導され、他の臓器内へと侵入したものであること、さらに、強力な細胞障害因子であるTNFαを産生して組織障害に関与している可能性が考えられた。そこで、マウスインスリンプロモータにGFP遺伝子を接着し過剰発現させたMIP-GFPマウスをドナーとして、これより取り出した骨髄をレシピエントであるβ-ガラクトシダーゼ・トランスジェニック(β-gal)マウスに骨髄移植し、さらにSTZにて糖尿病を作成し、末梢神経における骨髄由来細胞の特徴を観察した。驚いたことに、プロインスリンを産生する神経細胞内にβ-galとGFPの両者、ならびにTNFαが観察され、この神経細胞は異常骨髄細胞との融合細胞であることが明らかとなった。
2、細胞融合に伴う遺伝子発現異常ならびに合併症の誘導
糖尿病性神経障害を持つマウスならびにラットを用いて、異常骨髄細胞と融合した神経細胞の特徴をin vitroならびにin vivoで解析した。この細胞は核内DNA量(ploidy)の増加、細胞内Ca^<2+>の代謝異常、易アポトーシスを示した。また、この融合神経細胞の出現頻度は、糖尿病の罹病期間ならびに神経障害の指標である神経伝導速度の異常の程度と平行して増加していた。この萌芽研究の成果より、異常な細胞融合現象は糖尿病合併症の発症に深く関与している可能性が明らかとなったことから、骨髄異常細胞の除去を目的とした新たな遺伝子治療研究を計画している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] The fusion of bone-marrow-derived proinsulin-expressing cells with nerve cells underlies diabetic neuropathy2005

    • 著者名/発表者名
      Tomoya Terashima
    • 雑誌名

      Proceedings of the Nat ional Academy of Sciences of the United States of America 102・35

      ページ: 12525-12530

  • [図書] 糖尿病学20052005

    • 著者名/発表者名
      小島秀人
    • 総ページ数
      8
    • 出版者
      診断と治療社

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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