HEXIM1がグルココルチコイド抵抗性にしアルドステロン作用を選択的に発現させている機序の解明を目的とした。 HEXIM1によるグルココルチコイドレセプター(GR)機能抑制機構に関して、HEXIM1のドメイン解析、GRのドメイン解析を終了し、GRとHEXIM1の直接の相互作用をpull down法を用いて確認した。HEXIM1によるGR局在変化を共焦点レーザー顕微鏡を用いて解析し、共役因子やRNA polymerase IIと共局在しないことを明らかにした。 HEXIM1の転写抑制作用の選択性に関し、AhRには影響を与えにくいことを明らかにした。MRは比較的抵抗性であった。 クロマチン免疫沈降法によってグルココルチコイド標的内因性遺伝子のプロモーターへのGRの結合はHEXIM1によって低下することを発見した。 抗GR、MR抗体を用いてヒト尿細管細胞における両レセプターの局在を後、アデノウイルスを用いたHEXIM1過剰発現系(Cre-loxPシステム)、HEXIM1 siRNAを用いたHEXIM1ノックダウン系を用いてGRとMRの標的遺伝子発現に与えるHEXIM1の影響を解析した。 すでにラビットで作成した抗HEXIM1抗体を用いて、ヒト各組織におけるHEXIM1の発現を免疫組織染色で検討した結果、血管平滑筋のみならず、心筋、血管内費細胞、神経系にもHEXIM1の存在が示唆された。これらの組織では、HEXIM1は核に局在していた。
|