研究課題/領域番号 |
16659257
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
北川 誠一 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (50133278)
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研究分担者 |
加藤 隆幸 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 助手 (50343413)
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キーワード | 好中球 / GM-CSF / TNF-α / MAPキナーゼ / PI3キナーゼ / 運動性 / ERK / p38 |
研究概要 |
顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)および腫瘍壊死因子(TNF-α)により誘導されるヒト好中球の細胞運動について解析した。好中球はGM-CSFおよびTNF-α刺激に反応して、それぞれ刺激2分および6分後から形態変化および運動性の亢進を示した。GM-CSF刺激では明らかな極性を示したが、TNF-α刺激では明らかな極性は認められず、強い接着と伸展が認められた。GM-CSF刺激による細胞の移動は距離が長く直線的であったが、TNF-α刺激による細胞の移動は距離が短く蛇行的であった。MEK阻害剤(U0126)により、GM-CSFおよびTNF-αによって誘導される偽足の形成と細胞の移動が阻害され、蛇行的運動が優位となった。p38 MAPK阻害剤(SB203580)により、GM-CSFによって誘導される偽足の形成と細胞の移動は影響を受けなかったが、細長い突起状または棒状の特徴的な尾部が形成され、手鏡様の形態を示した。一方、TNF-αで刺激した細胞では、伸展が強く阻害され、明らかな極性を示し、直線的な移動が優位となって、移動距離も長くなった。PI3K阻害剤(LY294002)により、GM-CSFで刺激した細胞では、偽足の形成とともに、多くの細胞がuropodを形成し、細胞移動が抑制された。一方、TNF-αで刺激した細胞では、伸展が阻害され、細胞の移動が亢進した。GM-CSFおよびTNF-αによって誘導される好中球の接着は、抗CD18中和抗体により強く阻害された。GM-CSFで刺激した細胞では、CD62Lが尾部に局在した。これらの結果は、GM-CSFおよびTNF-αが好中球に作用して、サイトカイン特異的に形態変化、接着、伸展および運動を誘導し、これらの応答にMEK/ERK、p38 MAPKおよびPI3Kが関与していることを示している。
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