• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2005 年度 実績報告書

自己抗原分子の翻訳後修飾が自己抗体反応性に及ぼす影響に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16659263
研究機関京都大学

研究代表者

三森 経世  京都大学, 医学研究科, 教授 (10157589)

キーワードカルパスタチン / カルパイン / シトルリン化蛋白 / 翻訳後修飾 / 自己抗体 / 関節リウマチ / 抗原エピトープ / IL-6
研究概要

近年,関節リウマチ(RA)においてシトルリン化蛋白に対する自己抗体が見出され,RAでの高い感度と特異性からその臨床的・病因的意義が注目されている.本研究では,RAにおける自己免疫のターゲットの一つと考えられるカルパスタチン(CS)をシトルリン化することによる自己抗体反応性の変化を検討すること,また関節炎モデルマウスにおける抗シトルリン化蛋白抗体の産生を検討することを目的とした.
1.修飾CSを用いた抗CS自己抗体反応性の検討
ヒトCSをコードする全長cDNAを発現ベクターpET28aに組み込んで大腸菌に生物活性のあるCSを発現させた.この組換えCSをキレートカラムで精製し,マイクロタイタープレートに固相化して,抗CS抗体測定のELISA系を作成した.この方法でRA患者血清32例中26例(80%)に抗CS抗体が検出され,特異度は69%であった.精製組換えCS分子を,PADI(peptidylarginine deiminase)によりin vitroでシトルリン化した抗原を用いると,RAでの感度は88%に上昇したが,特異度は44%と低下した.
2.関節炎モデルマウスにおける抗シトルリン化蛋白抗体の検出
T細胞刺激伝達系の主要分子であるZAP70の変異によりヒトRAに類似する慢性自己免疫性関節炎を自然発症するSKGマウスにおいて抗シトルリン化蛋白抗体の産生を検討した.9ヶ月齢のSKGマウスの30%に抗CCP抗体が検出され,その少なくとも一部はシトルリン化フィラグリンと反応するが非修飾フィラグリンとは反応しないため,シトルリン化ペプチドを特異的に認識すると考えられた.また,IL-6ノックアウトSKGマウスは関節炎を全く発症しないにも関わらず,抗CCP抗体産生が認められた.このことより,SKGマウスにおける抗シトルリン化蛋白抗体は関節炎発症とは独立した事象と考えられた.

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (6件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Amelioration of experimental arthritis by a calpain-inhibitory compound : Regulation of cytokine production by E-64-d in vivo and in vitro.2005

    • 著者名/発表者名
      Yoshifuji H, Mimori T, et al.
    • 雑誌名

      Tnt Immunol 17(10)

      ページ: 1327-1236

  • [雑誌論文] Clinical significance of anti-CCP antibodies in rheumatoid arthritis.2005

    • 著者名/発表者名
      Mimori T
    • 雑誌名

      Intern Med 44(11)

      ページ: 1122-1126

  • [雑誌論文] Role of membrane sphingomyelin and ceramide in platform formation for Fas-mediated apoptosis.2005

    • 著者名/発表者名
      Miyaji M, Mimori T, et al.
    • 雑誌名

      J Exp Med 202(2)

      ページ: 249-259

  • [雑誌論文] Autoantibodies to a 140-kd polypeptide, CADM-140, in Japanese patients with clinically amyopathic dermatomyositis.2005

    • 著者名/発表者名
      Sato S, Mimori T, et al.
    • 雑誌名

      Arthritis Rheum 52(5):

      ページ: 1571-1576

  • [雑誌論文] Therapeutic effects of the combination of methotrexate and bucillamine in early rheumatoid arthritis : a muliticenter, double-blind, randomized controlled study2005

    • 著者名/発表者名
      Ichikawa Y, Mimori T, et al.
    • 雑誌名

      Mod Rheumatol 15(6)

      ページ: 323-328

  • [雑誌論文] 関節リウマチ早期診断と抗CCP抗体2005

    • 著者名/発表者名
      三森経世
    • 雑誌名

      リウマチ科 34(3)

      ページ: 244-249

  • [図書] Autoantibodies and Autoimmunity2006

    • 著者名/発表者名
      Pollard KM, Mimori T, et al.
    • 総ページ数
      608
    • 出版者
      Wiley-VCH (Weinheim, Germany)

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi