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2004 年度 実績報告書

早産児認める低Na血症が成長後の血圧に及ぼす影響に関する基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 16659285
研究機関東京女子医科大学

研究代表者

楠田 聡  東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (50372983)

研究分担者 仁志田 博司  東京女子医科大学, 医学部, 教授 (80104553)
佐久間 泉  東京女子医科大学, 医学部, 講師 (80246644)
福井 千佳  東京女子医科大学, 医学部, 助手 (70349695)
三科 潤  東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (60277192)
河野 由美  東京女子医科大学, 医学部, 講師 (50243390)
キーワード早産児 / 低出生体重児 / 低ナトリウム血症 / 血
研究概要

<目的>東京女子医大母子総合医療センターで長期フォローアップを実施している低出生体重児について、新生児期の低Na血症と学童期の血圧の関係を検討する。
<対象およぴ方法>対象は21名で、新生児期の臨床データとフォローアップ外来で測定した血圧の関係を後方視的に検討する。
<結果>
1)対象の在胎期間は29±4週(平均±SD)、出生体重は1071±418gで、男児11名、女児10名であった。血圧測定時の年齢は7±2歳であった。
2)新生児期の血清Naの最低値は132±3 mEq/Lであった。血清Naが最低となった生後日数は10±7日で、血清Naを正常化させるための最大補充量は5±4 mEq/kg/dであった。
3)一方、血圧は、収縮期103±12mmHg、拡張期56±15mmHgであった。
4)血清Naの最低値と収縮期血圧、拡張期血圧との間には、単回帰分析で収縮期血圧=-0.722×Na最低値+198(r=0.192、p=0.404)、拡張期血圧=-2.015×Na最低値+323(r=0.422、p=0.057)の関係が認められた。
5)血圧と他の因子との関係では、性別、年齢、在胎期間、出生体重、新生児期の水分投与量、慢性肺疾患合併の有無との間に有意な関係を認めなかった。
<考察>今回は長期フォローを実施している低出生体重児の学童期の血圧と新生児期の低Na血症の関係について後方視的に検討した。今回検討し得た21例では、拡張期血圧と新生児期の血清Naの最低値との間に逆相関関係の存在が示唆された。すなわち、新生児期に低Na血症の程度が重症になればなるほど、将来血圧が高くなる傾向が認められた。早産児では腎でのNa再吸収能が低いために新生児期にしばしば血清Naの低下を認める。この状態では、血清Naの維持のためにレニンーアンギオテンシン系が賦活されると想像される。この状態は早産児が成熟してNaの保持能力が完成した後も継続し、成長後には血圧の上昇をもたらす可能性が考えられた。今後は症例数の増加、新生児期のレニンーアンギオテンシン系の活性の検討、低Na血症に対する介入の効果の検討、等が必要と考えられた。
<結語>新生児期の低Na血症の程度と成長後の血圧の間には、逆相関関係が存在する可能性が示唆された。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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