新規溶血活性物質の精製は、硫安沈殿、疎水性相互作用クロマトグラフィー、陰イオン交換クロマトグラフィーを組み合わせることで、精製終了段階まで進行している。その概要を示す。 1.硫安沈殿【triple bond】培養上清に硫酸アンモニウムを加え60%飽和溶液を作る。氷上で一時間撹拌した後、9000×gで遠心し、その沈殿物をつぎの疎水性相互作用クロマトグラフィーのAバッファーで懸濁する。これでクロマトグラフィーのためのサンプルの準備ができた。 2.疎水性相互作用クロマトグラフィー【triple bond】Aバッファー(pH8.0、20mMトリス、10%グリセリン、5%エタノール)Bバッファー(Aバッファー含1.0M硫酸アンモニウム)を用意し、gradient:50%-0%で疎水性相互作用クロマトグラフィーの一回目を行う.主な活性のある分画を集め、タンパク分解酵素であるProteinase Kによっても新規溶血活性の活性が影響されないという性質を利用し、Proteinase Kと一時間インキュベートし、0.6M硫酸アンモニウム溶液になるように硫酸アンモニウムを加え2回目の疎水性相互作用クロマトグラフィーを行う.活性のある分画を集めつぎの陰イオン交換クロマトグラフィーのために開始バッファーで透析を行う.4時間づつ2回行う. 3.MonoQによる陰イオン交換クロマトグラフィー【triple bond】Aバッファー(pH9.0 20mM トリス 10%グリセリン、5%エタノール)とそれに1.0M NaClを加えたBバッファーを用意する。KTAexplorerのUVモニターの波長を220nm(ペプチド)と280nm(タンパク質)に設定する。陰イオン交換クロマトグラフィーの結果、220nmの波長のシングルピークに一致して活性のピークを認めた。280nmの波長でも、220nmのほど高くはないが、シングルピークを認めた。
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