研究課題/領域番号 |
16659301
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
村田 善晴 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (80174308)
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研究分担者 |
加納 安彦 名古屋大学, 環境医学研究所, 助手 (50252292)
尾崎 紀夫 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40281480)
妹尾 久雄 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (40135380)
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キーワード | 統合失調症 / SNPs解析 / カルシニューリン / 甲状腺ホルモン / 脆弱性遺伝子 |
研究概要 |
ZAKI-4遺伝子は、甲状腺ホルモン応答性遺伝子として1996年に我々が同定した遺伝子である。この遺伝子から産生される2つのアイソフォーム、すなわちZAKI-4αとZAKI-4βは共にカルシニューリンの活性を阻害する作用を有する。カルシニューリンはカルシウム依存性脱リン酸化酵素として中枢神経系や心臓で重要な機能を発揮していることが知られていたが、最近、前脳における活性の低下が統合失調症に関連することを示唆する報告がなされた。そこで、内因性のカルシニューリン活性阻害蛋白をコードしているZAKI-4遺伝子が統合失調症の脆弱性遺伝子である可能性が示唆されたことから、SNPs解析を中心にZAKI-4遺伝子が統合失調症に関連するか否かを検討した。平成16年度で、372名の統合失調症患者と340名の正常対照者においてsigle SNPsとハプロタイプ解析で関連解析を行った結果、いずれのSNPsにおいても統合失調症との関連は認めなかった。そこで、本年度は動物実験により、ZAKI-4遺伝子の発現過剰または消失により、精神機能がどのように変化するかを観察する実験計画を立てた。このため、ZAKI-4遺伝子のトランスジェニックマウスおよびノックアウトマウスの作製を行った。そしてトランスジェニックマウスに関しては導入遺伝子が生殖細胞に伝達されていることが確認できた11系統のマウスを得た。また、ZAKI-4αとZAKI-4βの発現を共に欠くノックアウトマウスの作製も行い、ターゲット遺伝子が生殖細胞に伝達していることが確認できたF1マウスを得たことから、まもなくノックアウトマウスが得られると考えられる。本研究によりZAKI-4遺伝子の産物が精神機能にどのような影響を及ぼすか検討できる動物実験モデルが得られた。これら動物実験モデルの精神機能を解析することによりZAKI-4遺伝子が統合失調症の発症に関わっている可能性を明らかにできるものと考えられる。
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