研究課題/領域番号 |
16659306
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
上條 吉人 北里大学, 医学部, 講師 (90255266)
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研究分担者 |
木下 玲子 北里大学, 医学部, 助手 (60383593)
神應 知道 北里大学, 医学部, 助手 (50365087)
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キーワード | 肺動脈血栓塞栓症 / 抗精神病薬 / 体動量減少 / 血流うっ滞 / D-Dimer / AT-III / プロラクチン / アクチネット |
研究概要 |
肺動脈血栓塞栓症(PTE)は肺動脈高血圧症から右心不全をきたし死に至る非常に致死性の高い疾患である。我々は平成16年度の研究において、我が国では定型・非定型抗精神病薬の服用している女性は肺動脈血栓塞栓症の危険因子となることを報告した。抗精神病薬が血栓性病変を惹起するメカニズムについては未だに解明されていない。これまで薬剤性SLEや血小板セロトニン受容体の異常などによる凝固障害の関与を示唆した研究はあるが、体動量の減少による血液のうっ滞の影響を検討した研究はまだ報告がない。 そこで今年度は、横断研究として抗精神病薬服用中の単科精神病院入院症例を対象とした血液凝固機能異常とそのリスクファクターの検討に関する研究計画書を作成した。この研究は北里大学医学部・病院倫理委員会に提出され、平成17年7月1日に承認された。既に以下の要領で研究を実施中であり18年度には研究成果を発表する予定である。 ・精神症状評価尺度PANSSおよびSANSを用いベースライン値としての評価を行う。 ・血栓性病変があると異常値を示すD-dimerおよびAT-IIIと、血栓性病変との関与が疑われている血中プロラクチン値を測定する。 ・加えて性別、年齢、BMI、血栓性病変の危険因子の有無、精神科的背景について全症例を調査する。 ・さらに、体動モニター装置(アクチネット【○!R】)を利き手対側下肢に装着して患者の体動を計測する。 ・全症例中D-dimer値の異常のある症例を抽出し、下肢静脈相の血管エコーを施行してPTEの主な原因である深部大腿静脈血栓塞栓症の有無を検索する。 ・統計学的解析にはSPSS Ver.13を使用し、ロジスティック回帰分析を用いる。
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