研究課題/領域番号 |
16659310
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
玉木 長良 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30171888)
|
研究分担者 |
中駄 邦博 北海道大学, 大学院・医学研究科, 講師 (00301010)
小華和 征志 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (90234806)
|
キーワード | emission tomography / deoxyglucose / tumor / glucose metabolism |
研究概要 |
1)悪性腫瘍の診断、評価に広く利用されているFDGは炎症にも集積するため、鑑別上の問題点が指摘されている。本研究では主に実験的腫瘍や炎症モデル動物を用いて、PET検査におけるFDGの腫瘍や炎症への集積機序をブドウ糖代謝および膜輸送遺伝子の発現などの観点から明らかにすること、種々の薬剤負荷を加えることで病変の鑑別診断に役立てることができるか否かを検討することに主眼をおいて検討した。 2)これまで実験モデルとして、肝細胞がんを移植した腫瘍モデルとブドウ球菌移植の感染およびテレビン油塗布の感染・炎症モデルを作成したが、本年度には肉芽腫をもつ炎症モデルの作成に成功した。各々の病変にFDGを投与して集積性を見たところ、これまでの肉芽腫では感染・炎症モデルと異なり、腫瘍モデルと同等の高いFDG集積があることが示された。 3)これらの病変モデルに抗炎症剤のひとつステロイドを投与したところ、炎症モデルではFDGの集積が有意に低下したが、腫瘍モデルへのFDG集積はほとんど変化なく、ステロイド負荷法が病変の良悪の鑑別に有効である可能性が示唆された。 4)臨床で頻繁に利用されているステロイド治療は、血糖を上昇させて病変へのFDG集積を低下させる可能性はあるものの、全般的にFDGを用いた腫瘍診断に大きな妨げにならないことも確認できた。
|