研究概要 |
1)実験的腫瘍におけるFDGの集積機序を検討するため、腫瘍の中心部(CT)、辺縁部(PT)、そして壊死アポトーシス部(NA)の3箇所に分けて検討を進めたところ、CT,PT,NAの順番でFDGの集積は高く、かつブドウ糖輸送遺伝子のGLUT1,GLUT3や解糖系の酵素であるHexokinase II(HKII)の活性と高い相関関係にあることが示された。以上より腫瘍へのFDGの不均一集積はGLUTやHKIIの発現程度の不均一性と関連があり、特に腫瘍の中央で高いことが示された。 2)実験的腫瘍モデルにおいてcyclophosphamideやgemcitabineを用いた化学療法後の集積の変化について検討したところ、FDGの有意な集積低下が認められ、その集積低下は腫瘍内に生じるアポトーシスと関連が深いことが示された。 3)臨床上で診断評価の重要である、心臓サルコイドーシスの検出能についてFDG-PETを用いて検討した結果、絶食時のFDGの局所的集積を認める場合には高率で心臓サルコイドーシスが存在することが確認できた。このようにFDGの強く集積する非腫瘍性病変として、肉芽腫を呈するサルコイドーシスが挙げられる。
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