研究課題/領域番号 |
16659315
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
久下 裕司 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (70321958)
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研究分担者 |
佐治 英郎 京都大学, 薬学研究科, 教授 (40115853)
清野 泰 京都大学, 医学研究科, 助手 (50305603)
横田 千晶 国立循環器病センター, 内科脳血管部門, 医長 (80300979)
玉木 長良 北海道大学, 医学研究科, 教授 (30171888)
関 興一 北海道大学, アイソトープ総合センター, 教授 (60094835)
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キーワード | 動脈硬化 / 分子イメージング / プロスタグランジン / シクロオキシゲナーゼ(COX-2) / シングルフォトンCT(SPECT) / ポジトロンCT(PET) |
研究概要 |
本研究では、動脈硬化モデルにおいて放射性標識COX-2阻害薬の動態を解析し、分子生物学的評価結果と対比することにより、COX-2を標的とする動脈硬化病態診断の可能性を検証することを目的とし、本年度は以下の検討を行った。 1.COX-2を標的とする放射性薬剤の開発に関する検討 昨年度までに、選択的COX-2阻害薬であるCelecoxibのヨウ素置換体(IMTP)をデザイン・合成した。今年度は、IMTPの分子イメージング剤としての有用性をさらに検証するため、ラットを用いてインビボでの評価を行った。その結果、IMTPは速やかな血中クリアランスを示し、優れた標的/血液比を示した。これらの結果より、IMTPのCOX-2選択的イメージング剤としての可能性がインビボ実験において示された。 2.動脈硬化モデルウサギにおけるCOX-2発現の検討 動脈硬化病態、特に、プラーク破綻には、細胞外マトリックス分解酵素(MMP)が深く関与している。最近、MMPがプロスタグランジン(PG)E2依存性の経路により産生されることが示され、PGE2合成の律速酵素であるCOX、特に誘導型であるCOX-2の役割が注目されつつある。そこで、動脈硬化モデル家兎においてCOX-2発現を解析し、MMP-2の発現と対比することにより、COX-2を標的とする動脈硬化病態診断の有用性を検証した。その結果、MMP-2は、最も不安定性を示すアテローム性病変に強く発現していた。一方、COX-2は初期病変から進行性病変にわたって広く発現していた。これらの結果は、COX-2を標的とする分子イメージングにより動脈硬化病変の早期検出が可能であり、他方、MMP-2イメージングでは進行性病変の描出が可能であることを示唆している。
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