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2005 年度 実績報告書

DNA2重鎖切断の修復の分子メカニズムを利用した放射線障害予測法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16659321
研究機関札幌医科大学

研究代表者

大内 敦  札幌医科大学, 医学部, 助手 (70168863)

研究分担者 永倉 久泰  札幌医科大学, 医学部, 助手 (80244359)
坂田 耕一  札幌医科大学, 医学部, 助教授 (10235153)
晴山 雅人  札幌医科大学, 医学部, 教授 (10173098)
キーワードDNA修復 / 放射線障害 / 発癌
研究概要

「患者のリンパ細胞のDNA-PK(DNA依存性プロテインキナーゼ)活性と発癌の関係」
染色体不安定性の存在は、様々な臓器の発癌において重要な役目を担っている。DNAの2重鎖切断の修復系は、染色体異常の発生を抑制することにより、遺伝的安定性の保持に関わっている。DNA-PKはDNAの2重鎖切断の修復に主要な役割を果たしている。そこで、本研究では、癌患者(乳癌、頭頚部癌、子宮頸部癌、食道癌、悪性リンパ腫)と健常者でDNA-PK活性に差がみられるかどうか、また、DNA-PK活性と染色体不安定性に関係がみられるかどうかを検討した。
結果は、乳癌、子宮頸部癌の患者では健常者より、有意差を持って、リンパ細胞のDNA-PK活性は低かったが、他の癌腫では健常者と有意差がみられなかった。
また、放射線治療された患者のリンパ細胞のDNA-PK活性の変化を経時的に調べた所、大部分で低下が見られ、特に照射範囲が大きい症例や化学療法を同時併用された症例にDNA-PK活性の低下が大きかった。このDNA-PK活性の低下は、大部分の症例では放射線治療終了後徐々に回復したが、放射線治療終了後1年経過しても、放射線治療前のDNA-PK活性に回復しない症例がみられた。
また、リンパ細胞の染色体異常の頻度は、DNA-PK活性が低いほど、多いことを発見した。
以上より、放射線治療により、照射部位のDNA-PK活性が低下されることにより染色体異常の頻度が増加することが示唆された。この現象が放射線発癌のメカニズム一つである可能性があると考えられる。
放射線治療の晩期障害が、リンパ細胞のDNA-PK活性が予測できないかを検討したが、晩期障害の頻度が少なすぎ、現在の所、明確な結果が得られていない。

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公開日: 2007-04-01   更新日: 2016-04-21  

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