研究課題/領域番号 |
16659332
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
佐野 圭二 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (00334392)
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研究分担者 |
幕内 雅敏 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (60114641)
三浦 泰朗 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (00376427)
脊山 泰治 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (10376428)
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キーワード | 癌 / 血管新生 / 幹細胞 |
研究概要 |
癌の増殖、転移には血管新生が必須であり、腫瘍血管新生の抑制は重要な癌治療戦略である。従来、血管新生は既存血管の成熟血管細胞により新たな血管枝が形成されるもの(angiogenesis)と考えられていたが、近年、流血中に骨髄由来の血管前駆細胞が存在し血管に分化しうる(vasculogenesis)ことが発見された。我々は骨髄移植モデルにて腫瘍血管新生への骨髄由来血管前駆細胞の関与を現象面で示したが、腫瘍血管新生におけるvasculogenesisのインパクトの大きさに関しては不明であるのが現状である。骨髄移植モデルでは前処置として致死量の放射線照射を行っているため、腫瘍血管新生への骨髄由来血管前駆細胞の寄与を定量することは困難であると考えられる。そこで、腫瘍血管新生への骨髄由来血管前駆細胞の寄与度を定量化することを目的とした、より生理的に骨髄の置換を行う新しいモデル(parabiosis)の開発を試みた。 野生型C57BL/6マウスとGFPマウス(C57BL/6バックグラウンド)を一対のペアーとし、手術的に併体結合させた。具体的には、各々相対する体側面を前脚から後脚まで切開し、皮下組織を剥離した後、皮膚を縫合し二体を結合した。これにより、野生型マウスとGFPマウスの血液循環が共通となった。以後、経時的に野生型マウス眼窩より採血しフローサイトメトリーにて解析したところ、約10日間で定常状態となり、野生型マウスの流血中を循環する単核細胞のうちGFPマウス由来のもので約40%置換されていた。
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