研究課題
臨床膵島移植の開始;我々は平成16年4月7日、日本で初めてとなる膵島移植を成功させた。以後6名に対して膵島移植を行い全例で血糖値改善を認めインスリン離脱症例も得られるなど良好な成績である。一方、我々は平成17年1月19日に世界で初めて生体膵島移植を成功させ、日本はもちろん世界のメディアに広く報道された。タンパク導入法の膵島移植への応用;タンパク導入法を用い細胞内のカルシニューリンの下流のシグナルを特異的に阻害することで糖尿病性の無い免疫抑制剤を開発し、膵島移植での有効性を示しNature Medicineに発表した。体性幹細胞の入手・培養;本研究で使用する細胞は膵島分離後の膵非内分泌細胞(主に膵管細胞および膵外分泌細胞)であるが、我々はマウス、ラットおよびブタおいて膵非内分泌細胞から、幹細胞の特徴である自己複製能・多分化能をもつ細胞群を集めることに成功した。これらの細胞を未分化のまま維持する培養系を確立するため様々な因子を調査したが、EGF、HGF、IGF-1などの成長因子が、未分化能を維持するのに必須であることが証明した。平成16年1月より心停止ドナーからのヒト膵島移植が開始され、京都大学医の倫理委員会でも、膵非内分泌細胞の研究に関して承認を得た。体性幹細胞のインスリン分泌細胞への分化誘導;インスリン分泌細胞への分化誘導は、当研究員の野口らの報告(Diabetes 2003)による蛋白導入法を用いて行っている。今回申請の研究ではこの蛋白導入のメカニズムも解明した(Cell Transplant in press)。この技術を応用して、効率よい蛋白導入システムの使用方法も確立することに成功し(FEBS Lett 2004)ラット膵幹細胞にこの技術を用いて分化誘導をかけると、この細胞はインスリンのmRNAをはじめとする、膵内分泌組織特異的な遺伝子を発現するようになった。
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