研究課題/領域番号 |
16659355
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
長谷川 傑 京都大学, 医学研究科, 助手 (10362500)
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研究分担者 |
佐藤 誠二 京都大学, 医学研究科, 講師 (00303834)
蔦原 康行 京都大学, 医学研究科, 助教授 (30196498)
猪飼 伊和夫 京都大学, 医学研究科, 講師 (60263084)
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キーワード | SIAH1 / tumor suppressor gene / LOH / mutation / methylation / haplo-insufficiency |
研究概要 |
SIAH1の肝発癌における関与を解明するため、まず肝癌の臨床検体100例と肝癌のcell linesからDNAとRNAを抽出した。このRNAを用いて定量的RT-PCRにてSIAH1遺伝子の発現が低下している症例を選別した。同時にこれらのDNAを使用してSIAH1遺伝子領域近傍のLOHを検索した。 この結果LOH陽性の頻度はSIAH1発現が低下している症例で有意に高かった。よってSIAH1遺伝子の発現低下にLOHが関与している可能性が考えられた。 次にMutation searchを行った。SIAH1発現低下、LOH陽性の50例を対象にSSCP法にて解析したがmutationは認められなかった。 次にMethylation searchとしてSIAH1発現の低下、SIAH1遺伝子領域近傍にLOHを認める15症例を使用した。まず、SIAH1遺伝子のgenomic structureからGrail、Promoter Scanなどの解析ソフトを使用しSIAH1 Promoter領域を同定し、CpG islandとExon 1の一部を含む領域にprimer setを作成した。メチル化異常の評価は抽出DNAのBisulfite Sequence法により、Bisulfite処理を行ったDNAを鋳型とするPCRの条件設定を確定し、TAcloningを施行後Sequenceにて解析した。現在Promoterにメチル化異常は認めていない。 癌抑制遺伝子の発現低下の機序としてtwo hit theoryがあるが、一方の染色体にLOHを認めるがもう一方の染色体にMutationまたはMethylationを認めないことより、SIAH1遺伝子発現の低下にはHaplo-insufficiencyの可能性が考えられる。 今後in vitroとin vivoでSIAH1遺伝子導入による抗腫瘍効果を検討する予定である。
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