研究課題/領域番号 |
16659369
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松宮 護郎 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (20314312)
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研究分担者 |
松田 暉 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00028614)
澤 芳樹 大阪大学, 医学部附属病院, 助教授 (00243220)
宮本 裕治 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (80229898)
福嶌 教偉 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (30263247)
高野 弘志 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (70346196)
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キーワード | 重症心不全 / 補助人工心臓 / 低侵襲心筋再生治療システム |
研究概要 |
心不全において種々の内科的治療が奏功しない重症例に対し、現状では心臓移植が行われているが、ドナー不足のため移植までの待機期間は1年を超えており、心臓移植待機中に補助人工心臓装着を余儀なくされる。しかし、補助人工心臓においては、合併症のため、未だ多くの症例を救命し得ないのが現状である。最近、心不全に対し再生型治療が提唱され、臨床応用が開始されている。そこで、補助人工心臓装着患者において、装着中に再生型治療を行い、bridge to transplantationからbridge to recoveryの症例数を向上しうる可能性が考えられる。しかし、補助人工心臓を装着した重症心不全においては、再生治療を行う上で低侵襲的なアプローチが不可欠である。そこで我々は、左室補助人工心臓装着中の重症心不全患者において、患部へ薬剤や遺伝子、移植用細胞などを低侵襲にデリバリーする新システムを開発することを目的とする。本研究開発においては、PTCAと同程度の簡便さで長時間の虚血を回避しつつ血管壁から心筋内に供給された細胞の移植や遺伝子導入を可能とするカテーテル等の開発を行った。マイクロカテーテル構造・材料の検討ではまず針先の穿刺時の最大応力、細管中の定量流れでの差圧、およびシリンジ注入時の内部圧力のそれぞれについて検討を行い、開発の方向性の目安とした。続いて穿刺時の力学解析及び流体解析による注入圧力、流速等も考慮し、バルーンカテーテル先端から針を突出、穿刺を行う機構の開発を行った。バルーンカテーテル構造・材料の検討ではダブルバルーンカテーテル、マルチルーメンカテーテルの二種の試作検討と検証を行った。その結果、マルチルーメンカテーテルは必要な全ての要件を満たしていることが分かったため、マルチルーメンカテーテル構成に基づいて試作検討を実施することとした。カテーテル試作と加工方法の確立では針先によるルーメン穿孔防止、到達操作時に起こり得る針付きマイクロカテーテルのキンク防止、および穿刺の操作時に必要とされるプッシャビリティーの飛躍的な向上が可能となった。動物実験による妥当性の確認を6kgのビーグル犬30kgのブタを用いて行った実験で明らかになった問題点と解決方法に基づき、いくつかのデバイス改良策を考案した。
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