研究課題
本研究の目的は、以下の2点である。1.脳血流量および脳血管のリアルタイムモニタリングを行うため、本組織で既に開発した高解像度赤外画像システムIRIS V thermographic systemを臨床応用し、脳血流量解析システムを開発する。2.新たに生体内に投与可能な色素であるインドシアニングリーン(ICG)を近赤外線レーザー照射により励起し、その励起蛍光をカットフィルターにより手術顕微鏡下に観察、画像処理することにより脳血流量を評価する光化学的診断システムを開発する。本年度は、以下の検討を行った。1.臨床症例として、未破裂脳動脈瘤根治術、脊髄動静脈瘻根治術、内頚動脈解離・もやもや病などにおける血行再建術などの術中リアルタイム脳血流モニタリングを行った(9症例)。その結果、治療血管の開存性評価および血流還流領域の描出が得られ、現在頻用される超音波ドップラー法で得られる血管開存性の情報に加えて、灌流領域評価に応用可能であることが示唆された。現在レーザードップラーなどの既存のmodalityとの比較検討を継続している。2.今年度はICG投与後にダイオードレーザーを照射し、血管可視化可能となる赤外線フィルターの検討を行った。その結果、785nm近傍で可視化像が得られることを模擬モデル実験にて検証した。来年度は以下の検討を行う予定である。1.IRIS V thermographic systemに応用可能な演算ソフト開発終了後、解析を行い、臨床経過、術前後画像との比較検討を行う予定である。2.今年度中に開発したフィルターとダイオードレーザーはIRIS Vに導入可能であり、来年度は、このシステムを用いて可視化の至適条件を動物実験にて検証する予定である。来年度の研究継続により術中モニタリングが可能な非侵襲的脳表血流可視化システムを実現を目指す予定である。
すべて 2004
すべて 雑誌論文 (6件)
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