平成16年4月よりラット骨髄を用いた内皮前駆細胞(EPC)の培養を行った。ラット下腿骨髄より採取した骨髄単核球成分をフィブロネクチンでコーティングした培養皿の上でVEGF等の栄養因子を添加した専用培地で4日間培養し、非付着細胞を除いた上でさらに7-10日培養することで敷石状配列を呈し第8因子を発現する細胞を得ることができた。これらの細胞はWestern blottingによりヒト血管内皮細胞(HUVEC)、平滑筋細胞(AoSMC)と比較するとICAM-1以外のマーカー発現やアセチルLDLの取込み能などからEPCと定義できた。ラット脳虚血モデル(90分間の中大脳動脈閉塞モデル)にラット自家骨髄由来EPCを脳虚血直後に移植することで、投与後24および48時間後の梗塞体積、神経学的後遺症が減少した。次にラット脳動脈瘤モデル(実験的動脈瘤誘発ラット)にあらかじめDiI-acetyl LDLを取り込ませ蛍光標識したEPCを静脈内投与した。誘発された動脈瘤周囲に標識された内皮前駆細胞は確認されず、逆に脾臓では確認された。
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