研究課題
トランスフェリンPEGリボソーム化と細胞内局在の検討:現在、薬剤のトランスフェリンPEGリボソーム化の手法を安定させるべく、トランスフェリンPEGリボソームALAの封入および細胞内局在分布の検討として、ロダミンをリボソーム化したものを作成した。これをC6グリオーマ細胞株にin vitroに投与し蛍光顕微鏡で観察したところ、細胞質内にびまん性に取り込まれることが判明した。光線力学療法における電子スピン共鳴法を用いたラジカル種の同定:スピントラップ剤により寿命の極めて短いラジカル種の検討を行った。その結果、光線力学療法中ではsuper oxideおよびOHラジカルが細胞内で発生していることが判明した。また、PpIX水溶液中の実験では一重項酸素の発生も検出できた。可視光域の励起光では、全ラジカル種の生成は励起波長が短いほど効率が高いことが判明した光線力学療法における電子スピン共鳴法を用いたラジカル種の生成量と殺細胞効果:In vitroモデルでのALAによる光線力学療法において、ラジカルの総生成量とMTTアッセイによる細胞傷害性を検討した。その結果、励起光のジュール数とラジカル生成量および細胞傷害性の間には正の相関関係を認めた。5-ALA光線力学療法におけるプロトポルフィリン(PpIX)の組織内局在の解明:脳腫瘍細胞株において、細胞成分と培養液中のPpIXの濃度を測定した。その結果、PpIXの細胞外漏出が生じうることを証明した。また、ラット正常脳において、高浸透圧により脳血液関門を開いたところ、大脳白質においてビマン性にPpIX蛍光が見られた。このことは、5-ALA PDTにおいて、PpIXの腫瘍細胞選択性に対して注意を要することを示唆する。
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J Neurosurg 106・3
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