研究課題
骨破壊性疾患の原因となる破骨細胞を特異的に抑制する有効な治療法を開発するためには、破骨細胞分化の分子機構を解明することが肝要である。申請者らは、in vitroで転写因子NFATc1が破骨細胞分化におけるマスターレギュレーターであるとする仮説を世界に先駆けて示したが、この仮説が本当に生体レベルで真実であるかどうかを証明することは、破骨細胞分化研究にとって最大の焦点となっている。NFATc1ノックアウトマウスは心臓の異常のために胎性致死となり、骨組織における機能解析が不可能である。このように、骨以外の原因で胎性致死となる遺伝子の骨組織における意義を検討するためには、破骨細胞のみでNFATc1遺伝子が欠損したマウスを作成することが必要となる。本研究では、死亡する直前の胎性12.5日齢のNFATc1遺伝子欠損マウスの胎児の肝細胞から造血幹細胞を採取し、ブスルファン処理によって骨髄抑制した破骨細胞欠損c-Fosノックアウトマウスに対して移植することで、NFATc1遺伝子が破骨細胞分化において必須であるかどうかを、生体レベルで検証した。その結果、予想した通り、NFATc1ノックアウトマウス肝細胞の造血幹細胞を移植した場合には、重度の大理石骨病を呈することが示された。今後、NFATc1を特異的に抑制する方法を開発すれば、破骨細胞を標的とした効率よい治療法に結びつくことが示唆される。また、この移植方法によれば、コンディショナルノックアウトマウスを作成しなくても簡便に胎性致死遺伝子の破骨細胞分化・機能における意義を研究することが可能となり、非常に応用範囲の広い研究手法となることが予想される。
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