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2005 年度 実績報告書

擬微小重力培養を用いた3次元軟骨組織構築技術に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16659415
研究機関独立行政法人産業技術総合研究所

研究代表者

植村 寿公  独立行政法人産業技術総合研究所, ナノテクノロジー研究部門, 主任研究員 (60176641)

キーワード軟骨再生 / 三次元培養 / 間葉系幹細胞 / RWVバイオリアクター / 微小重力 / 移植 / 再生医療
研究概要

変形性関節症などの関節疾患の治療法として,軟骨再生技術の確立が急がれている.しかし,生体外での細胞培養時に生じる障害によって培養組織が壊死を起こすため,広範囲の軟骨欠損に応用可能な大型の軟骨組織を再生する技術は確立されていない.われわれは大型の三次元軟骨組織を再生することを目的として,微小重力環境を模倣するRWVバイオリアクターを利用した新規軟骨再生技術の開発を行なった.間葉系幹細胞は高い増殖能力を持ち,適切な分化誘導因子の存在下で三次元培養を行なうことで軟骨組織へ分化する能力を持っている.しかし,生体外で培養を行なう際シャーレの底に沈んでしまうため,培養組織はシート状にしか形成されない.また,軟骨細胞は2次元的に培養すると繊維芽細胞様の細胞に脱分化する.このような問題点を解決する方法として,RWVバイオリアクターがつくる擬似微小重力環境を利用した三次元培養法が考えられる.RWVは,円形のベッセルが,回転することで細胞に与える重力方向を絶えず変化させ,その結果,時間平均すると,地上重力の100分の1という微小重力環境を模倣することができる.初年度は,ラビット10日齢のロングボーンより骨髄細胞を採取し,3週間培養により増殖させた後,TGF-βなどを添加した培養液中でRWVバイオリアクターによる回転培養を行った結果,長径1.5cm,短径0.8cmの大型で均質な3次元軟骨組織を形成させることに成功した.切片を作製しサフラニンO染色やアグリカンやコラーゲンIIの発現量から軟骨類似の組織であることを確認した.本年度は、初年度に確立したRWVによる培養法によって得られた組織を、ウサギ膝関節全層欠損モデルに移植し、経過を組織化学的、免疫組織化学的に評価したところ、極めて良好な結果を得た。以上の結果より、ラビット骨髄を用いたRWV培養による軟骨構築技術を確立した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Cartilage tissue formation from bone marrow derived cells using rotating wall vessel (RWV) bioreactor2005

    • 著者名/発表者名
      Toshimasa Uemura, Yoshimi Ohyabu, et al.
    • 雑誌名

      Bone 36, Suppl.2

      ページ: S175

  • [雑誌論文] 骨再生におけるマテリアルゲノミックス2005

    • 著者名/発表者名
      小島弘子, 植村寿公
    • 雑誌名

      ソフトナノテクノロジー(シーエムシー社)

      ページ: 87-95

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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