1)DJ-1の機能 (1)抗酸化ストレス能 DJ-1は3つのシステインが自己酸化されることで活性酸素除去を行い、抗酸化ストレス能を有する。更に、C106が酸化されたDJ-1のみを認識する抗体を作成した。 (2)ミトコンドリアの機能調節 DJ-1ミトコンドリアComplex 1に直接結合、DJ-1ノックダウン細胞ではComplex 1の酵素括性が低下していることから、DJ-1はComplex 1の正の制御因子であることが明らかとなった。 (3)転写調節因子 DJ-1は転写coactivatorあるいはcorepressorとして作用する。ターゲット遺伝子として、アンドロゲン受容体、p53に加えて、tau遺伝子の転写抑制を行うことでストレス防御にあたる。 (4)プロテアーゼ DJ-1はParkinの基質であるPael受容体、家族性アミロイドポリニューロパシーの原因タンパク質トランスサイレチンを分解することを明らかにした。 2)内分泌かく乱物質に対するDJ-1の機能 ビスフェノールA暴露のより、特に精巣、脳由来細胞では活性酸素を誘発され、高濃度では死が誘発された。それに伴い、DJ-1は発現誘導され、自己酸化された。更に、ビスフェノールA誘導活性酸素により、ミトコンドリア阻害が起こし、DJ-1がcomplex 1活性を維持することで、ミトコンドリア維持と細胞死防御に当たる事を示した。 また、メダカをモデル細胞にして、海洋汚染の原因となるノニルフェノールを対象として検討した。まず、メダカDJ-1 cDNAのクローニング、抗体作成を行った。ノニルフェノール投与メダカ細胞は活性酸素が誘発され、DJ-1は自己酸化することで活性酸素を除去し、ノニルフェノール誘導細胞死を抑制した。
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