• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2004 年度 実績報告書

新生児脳障害の発症予防に関する研究-抗酸化予防・治療薬としての経母体的メラトニン投与の臨床応用を目的として-

研究課題

研究課題/領域番号 16659452
研究機関高知大学

研究代表者

渡辺 員支  高知大学, 医学部, 助手 (80281187)

研究分担者 若槻 明彦  高知大学, 医学部, 助教授 (90191717)
キーワード脳障害 / 産科ストレス / 抗酸化因子 / メラトニン / ミトコンドリア / 海馬組織
研究概要

周産期医療において、脳性麻痺に代表される児の中枢神経機能障害の発症機序の解明と予防法は、未だ確立していない。これまで、我々は、ラットによる検討で、ラットの胎仔脳は低酸素ストレスには抵抗性であるが、フリーラジカルによる酸化ストレスで容易に障害されることを明らかにしてきた。さらにこの酸化ストレスは、NO由来のPeroxynitriteやxanthine oxidase、lipoxygenase由来のフリーラジカルなどが中心で、胎仔脳内の脂質のみならずDNAをも酸化変性させ、ATP合成の中心であるミトコンドリア機能をも障害することを証明した。一方、予防学的観点から強い抗酸化作用を有し、胎盤通過性も良好であるメラトニンに注目し、メラトニンを経母体的に投与すると、虚血・再灌流による胎仔脳内の脂質、DNAの酸化損傷を強力に抑制することで、ミトコンドリア機能を著しく改善することも明らかにしてきた。今回、経母体的メラトニン投与による予防的効果をさらに確立するために、出生後ラットにおいて、におい嗜好学習後の行動実験と、新生仔ラットの脳の組織学的検討を行った。酸化ストレスで障害された新生仔ラット脳の海馬組織は、メラトニンの経母体的予防投与により、障害を抑制し、行動実験においても学習能力の障害を抑制することを証明した。以上のことから、メラトニンの経母体的予防投与は、胎内での酸化ストレスによる新生仔脳のミトコンドリア機能および脳の組織学的障害を抑制するのみならず、学習能力の障害も抑制することが証明された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Maternally administered melatonin protects against ischemia and reperfusion-induced oxidative mitochondrial damage in premature fetal rat brain2004

    • 著者名/発表者名
      Kazushi Watanabe
    • 雑誌名

      J.Pineal Res. 37

      ページ: 276-280

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi