1.二次元電気泳動および質量分析:子宮内膜症病変組織、子宮内膜、患者血清、患者腹水を二次元電気泳動装置および質量分析計をもちいて、それぞれのタンパクプロファイルを作成した。さらに正常群とのディファレンシャルディスプレイを行なった。 2.子宮内膜症組織を抗原とし、子宮内膜症患者血清を一次抗体とした二次元免疫ブロッティングを行い、子宮内膜症マーカータンパクの検索を行なった。対照血清を一次抗体として二次元免疫ブロッティングを行い、非特異反応タンパクの除外を行った。また、子宮内膜症患者腹水を一次抗体としても免疫ブロッティングを行い、腹腔内の子宮内膜症免疫反応タンパクを測定した。 3.予備実験:子宮内膜を泳動サンプルとするために、まず胎盤、子宮筋層、子宮筋腫組織といった大量に採取可能なサンプルをもちいて、サンプル調整、泳動条件の予備実験を行なった。胎盤タンパクを二次元電気泳動により展開し、患者血清を一次抗体とした免疫ブロッテイングを行い、血清希釈率の検討をおこなった。この際、妊娠高血圧症候患者血清に高率に、細胞内小器官タンパクに対する抗体を認めた。このタンパクの精製、結晶化を行った。さらに妊娠高血圧症候群血清と正常妊婦血清中のこの抗体の保有率をウエスタンブロット法にて測定した。抗体保有率は妊娠高血圧症候群に有意に高値となった。
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