研究課題/領域番号 |
16659461
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
加我 君孝 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (80082238)
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研究分担者 |
菅澤 正 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (00179110)
山岨 達也 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (60251302)
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キーワード | 骨導 / ABR / 超磁歪振動素子 / 超音波 / 方向感 / 時間差 / 音圧差 / 聴覚認知 |
研究概要 |
超磁歪振動デバイス(フレェイ社開発)を用いて、全く新しい両耳装用高音質骨導補聴器作成のための基礎的準備研究を行った。その成果は下記の通りである。 1.超音波ABR実験。超磁歪振動骨導デバイスは、フレェイ社によれば、現在世界中に使用されているものが、せいぜい高周波の限界が4kHzなのに対し、理論的に2kHzを越える特性があるという。これを証明するためにラットが超音波領域まで可聴であることを利用し、ABRを用いて他覚的に調べた。その結果、明らかに30kHzまでのABRを記録すること出来、証明することが出来た。 2.ABRの発達実験。ラットの新生仔を用いて、気導ABRと骨導ABRの出現時期について調べた。その結果、骨導ABRは生後1週間から出現するが気導ABRは生後2週目出現することを見出した。この差は中耳機能が未熟であることにようと思われる。この未熟性とは何かは次年度に解明予定である。 3.両耳聴実験。方向感の認知について、本デバイスと現在世界中に使われている骨導レシーバーを用いて、(1)時間差と(2)音圧差、(3)時間差-音圧差取り引きの3つについて比較検討した。 その結果、(1)時間差と(2)音圧差については有意差を認めなかったが、(3)時間差-音圧差については超磁歪骨導振動デバイスが有意に鋭敏であることがわかった。これは超高音質のために、脳のレベルでの認知より鋭敏になるものと考えられる。
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