研究課題/領域番号 |
16659476
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
石橋 達朗 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (30150428)
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研究分担者 |
米満 吉和 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (40315065)
池田 康博 九州大学, 大学病院, 助手
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キーワード | SeVベクター / SIVベクター / 超音波遺伝子導入法 / 結膜下組織 |
研究概要 |
1)組換えウイルスベクターの構築 緑内障に対する遺伝子治療を考慮し、血管拡張作用を有する遺伝子(eNOS:内皮型一酸化窒素合成酵素、CNP:C型ナトリウム利尿ペプチド)を搭載した組換えセンダイウイルス(SeV)ベクターを作製した。in vitroでの遺伝子産物の確認を行っている。 2)遺伝子発現の確認 (1)SeVベクター、(2)サル由来レンチウイルス(SIV)ベクター、(3)超音波遺伝子導入法、を用いて、結膜下組織にレポーター遺伝子を導入した。眼内組織をはじめとするin vivoでの高い導入効率を示すSeVベクターならびにSIVベクターでは、予想に反し遺伝子発現を殆ど確認することができなかった。メカニズムについては、現在解析中である。超音波を用いた方法では、網膜下組織における遺伝子発現が確認できた。luciferase遺伝子を用いた遺伝子発現量の解析において、投与するplasmid濃度は100ug/mlが最も遺伝子導入効率が高いことが明らかとなった。現在、GFP遺伝子導入個体における遺伝子導入細胞同定を常温硬化樹脂であるtechnovitを用いて解析を進めている。 3)遺伝子導入局所の病理組織学的検討 遺伝子導入による結膜の形態学的な変化の評価を行うために、経時的に眼球を摘出し、光学顕微鏡を用いて遺伝子導入部位の病理組織学的に検討した結果、超音波を用いた遺伝子導入法では、炎症細胞浸潤などの明らかな病理組織学的な変化は認めなかった。 4)全身への影響の検討 SeVベクターならびにSIVベクターにて明らかな遺伝子発現が得られなかったため、全身臓器へのベクター伝播状況の検討は行っていない。
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