研究概要 |
1,胎生20日のWistar ratの小腸を細かく刻みdispase, collagenaseで処理し、organoid unitを作成し成獣ラット粘膜下に注入した。注入1週間後では、粘膜下層に粘膜様構造が出現したものが存在した。しかし注入4週の時点では全例注入部位に強い炎症反応が生じ、粘膜構造を見いだすことができなかった。結論として、1週間程度の期間はorganoid unitの生着が得られる可能性があるが、それ以上の期間となるとorganoid unitの生着が得られなかった。考察としては、同種のラットで、かつ胎児ラットの組織を使ったにもかかわらず、おそらく拒絶反応が生じたためorganoid unitの生着が得られなかったことがあげられた。 2,今後の研究は、(1)拒絶反応への対策(免疫不全ラットの使用や、免疫抑制剤の使用)を講じて同様の手技を行う。あるいは、(2)新たな実験モデルを作成する。のいずれかの選択を行わなければならない状況に至った。 3,われわれは新たなる実験モデルを考案することとした。organoid unit作成までは同様の手技を使った。ついで成獣ラットの大腸を2cm前後有茎に切除し、(1)まず、結腸を端々吻合(2)切り離した結腸の粘膜抜去をおこない、粘膜を抜去部位にorganoid unitを播種する。現在20匹のラットに対しこの手技を行い、経過観察中である。
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