研究概要 |
対象:過去5年間の当院ICUのCPUにデータが残っている5日以上の機械的人工呼吸管理を受けた170症例(人工呼吸からの離脱成功145例,失敗25例)を対象とした。人工呼吸からの離脱成功は初回の試行のみでの評価とし,気管切開を試行した症例は除外した。 Input & Output data:体重,身長,BMI,性別,入院時検査の呼吸機能(%VC,%FEV_<1.0>),人工呼吸開始前のPaO_2/FIO_2(PF ratio),ICU入室時のAPACE II score,人工呼吸離脱時の血液ガス(PaO_2,PaCO_2,pH)PaO_2/FIO_2(PF ratio),呼吸数,1回換気量,分時換気量(1分間の平均値),平均血圧,心拍数,鎮静の有無の18項目をinput, outputを人工呼吸からの離脱の成否として,ニューラルネットワーク(ANN)を構築した。ANNはNeuroSolutionsTM4.0(NeuroDimension, USA)を使用,Multiple perception layerで構築,170症例のデータでtrainingを行った。ただし,人工呼吸離脱時の呼吸モードはCPAP,PEEP3cmH_2O,Pressure Support 5cmH_2O,血液ガスは抜管直前,呼吸数,1回換気量,分時換気量,平均血圧,心拍数は抜管前30分前の値とした。次に,15症例で,構築したANNを用いて人工呼吸からの離脱の成否について前向きに予測した。 結果:Training:1000回のtrainingで,linear correlation coefficient(成功0.9998;不成功0.9996),%Correct(成功100%;不成功100%)の好結果を得た。離脱予測:15例中2例の離脱失敗があり,失敗予測(0.999,0.997),成功予測(0.06,0.00)で,正確に予測可能であった。 結論:ANNを用いて,人工呼吸器からの離脱の成否の予測は可能である。 表.前向き予測の結果(入力データー部と症例3〜10,14,15を省略) Input(1部省略) Output Probability case age BMI sex %VC %FEV_<1.0> PF ratio Weaning Success failed 1 71 23.01 male 85 45 152 success 0.993 0.013 2 89 31.22 male 80 42 147 success 1.001 0.012 11 89 38.94 female 78 66 89 failed 0.006 0.999 12 77 34.01 male 63 78 105 failed 0.000 0.997 13 56 23.88 female 54 74 110 success 1.001 -0.007
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