研究課題
これまで抗CD14抗体を利用した可溶型CD14の免疫化学的測定系を種々作製してきたが、このうち特定の抗CD14抗体を利用した測定系において、可溶型CD14分子のうち一部の分子、すなわち可溶型CD14サブタイプを発見した(従来のCD14と分子量が異なる)。我々はこの可溶型CD14サブタイプのELISA法による定量法を開発し、感染症の診断に際して感受性、特異性共に現存する炎症マーカーの中では最も優れていることを見出した。イムノクロマトグラフィー法を利用し、血清あるいは血漿を微量(約200μl)滴下するだけの単純操作で、かつ短時間(約10分)に結果が得られる可溶型CD14サブタイプの測定キットを作成した(キット化)。現在、1)イムノクロマト法とELISA法による可溶型CD14サブタイプのデータの比較検討を行っている。(精度の確認)。2)感染の違い(グラム陰性菌、グラム陽性菌、真菌、ウイルス)による可溶型CD14サブタイプ発現量の差について臨床検体を用いて検討する(鑑別診断能力)。3)可溶性型CD14サブタイプの発現量と感染症のSOFAスコア、APACH IIスコアとの関連について検討する(重症度判定)。4)術期の感染症合併の有無を予測する診断能力について検討している(生体肝移植、食道ガン、心臓・大血管手術など)。(感染の予知)溶型CD14サブタイプの産生細胞を検索するとともに、発現時の生体反応について臨床検体およびミニブタを用いて検討している。(生物活性の検討)
すべて 2006 2005
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エンドトキシン血症救命治療研究会 9
ページ: 46-50
J Infect Chemothr 11
ページ: 234-238