研究概要 |
・マウス15日胚の頸骨成長板軟骨におけるCCNファミリータンパク質の局在を免疫染色で調べたところ、成長板に6つのメンバーすべての分布がみられた。しかし、その分布には差異があり、CCN2/CTGFとCCN5は肥大軟骨細胞層全域で強染し、CCN1/Cyr61とCCN4/WISP1は前肥大化軟骨細胞層で強染し石灰化層では染色性が減弱した。一方、CCN3と6は前肥大化軟骨細胞層で強染し、肥大軟骨細胞層で一旦染色性が減弱したのち再び石灰化層で染色性が増強した。 ・ヒト軟骨細胞様細胞株HCS2/8で、CCNファミリーのmRNAレベルをRT-PCRで調べたところ、すべてのメンバーが定量可能なレベルで発現していた。特に、CCN2が顕著に高く、続いてCCN1とCCN6が高発現していた。 ・マウス軟骨細胞、骨芽細胞および線維芽細胞の3種の細胞でCCNファミリーの発現を比較したところ、CCN2は軟骨細胞にほぼ特異的に、CCN4と6は軟骨細胞と骨芽細胞とで強く発現しており、CCN4は線維芽細胞で強い発現が見られた。CCN1およびCCN5の発現は3種の細胞間で大差は無かった。 ・軟骨培養細胞において、軟骨分化を促進させるデキサメサゾンにより、CCN2のみならずCCN1,4および5の発現も転写段階で亢進することを見出した。 ・CCN2のノックアウトマウスから初代軟骨細胞を分離培養し、他のCCNファミリーメンバーの発現を調べたところ、CCN3は著明に上昇し、CCN6は著明に低下していた。また、線維芽細胞の場合ではCCN1,3,4および6で著明な低下が見られた。即ち、これらのCCNメンバーの発現がCCN2により調節されていること、またその調節機構には組織特異性が見られることが明らかになった。
|