研究課題/領域番号 |
16659516
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
加藤 有三 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (20014128)
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研究分担者 |
岡元 邦彰 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (10311846)
西下 一久 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (20237697)
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キーワード | Arg-gingipain / cysteine proteinase / Lys-gingipain / periodontitis disease / Porphyromonas gingivalis / transport |
研究概要 |
歯周病原性細菌Porphyromonas gingivalis(P.g.)の産生する2つのシステインプロテアーゼRgpとKgpは歯周疾患の発症および進行に重要な役割をしていると考えられている。非常におもしろいことに、これら2つの酵素はプロテアーゼドメインと血球凝集素ドメインの2つの機能ドメインをもつ構造上類似した酵素である。昨年度はこれらのドメインの役割を調べるために、2つの中の一つKgPのP.g.を利用した発現系を確立することを試み、活性型のKgpを発現させることに成功した。そこで今年度は、その輸送機構に血球凝集素ドメインが関与する可能性を調べる目的で、いくつかの血球凝集素欠損コンストラクトを作製し、解析を行った。今回用いたコンストラクトは、Kgp全長を含むもの、血球凝集素を含まないもの、プロテアーゼドメインのみのものである。これを前回と同じくP.g.内で安定に維持できるプラスミドに導入し、これをKgpの欠損株KDP129に導入した。導入された変異株の選別はテトラサイクリンで行われた。それぞれの培養液を菌体と培養上清に分離し活性を測定したところ、活性に差はあるものの酵素の輸送が適切に行われず菌体内に留まったり、あるいは合成後すぐ分泌されるといったことは認められなかった。このことはウエスタンブロット法による解析でも同じであった。これらのことから、血球凝集素ドメインが輸送機構に何らかの影響をしている可能性は少ないものと思われる。現在、プロテアーゼドメインのプロ型の欠損変異体も作製しており、この変異体の輸送機構への関わりについても解析中である。
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