研究概要 |
本研究は口内法X線写真から,非侵襲的かつ定量的に海綿骨および皮質骨両者の骨質を評価することを目指して,口内法X線写真から骨梁面積とフラクタル次元を求め,ヒト海綿骨の力学的特性と皮質骨の厚さを基盤とする新しい定量的骨質評価法を確立することを目的として研究を立案し,現在研究を遂行中である。本年度の研究実施状況を以下に示した。 1.口内法X線写真からの海綿骨弾性係数の算出 ・献体より携帯用歯科診療ユニットを用いてヒト下顎骨のブロックを採取し,その口内法X線写真より骨梁面積およびフラクタル次元を,μCT画像データより三次元有限要素モデルを作成して骨の弾性係数をそれぞれ算出した。 ・口内法X線写真からの骨梁面積とフラクタル次元とμCT画像からの弾性係数間の相関分析と重回帰分析を行い,口内法X線写真から得られたパラメータから以下に示す弾性係数が算出できる重回帰式を求めた。 海綿骨弾性係数=0.07×骨梁面積-5.08×フラクタル次元+6.85 2.ヒト海綿骨弾性係数の標準域設定 ・ヒト無歯顎部口内法X線写真から得たパラメータから得られた重回帰式によりそれぞれの海綿骨の弾性係数を算出し,データを収集中である。 次年度には上記の様に,ヒト無歯顎部口内法X線写真から算出した海綿骨の弾性係数により,その平均値と標準域の設定を行う予定である。
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