研究課題/領域番号 |
16659537
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
松家 茂樹 九州大学, 歯学研究院, 助教授 (00108755)
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研究分担者 |
石川 邦夫 九州大学, 歯学研究院, 教授 (90202952)
宮本 洋二 秋田大学, 医学部, 助教授 (20200214)
中川 雅晴 九州大学, 歯学研究院, 助手 (80172279)
有働 公一 九州大学, 歯学研究院, 助手 (60145266)
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キーワード | 炭酸アパタイト / 水酸化カルシウム / 炭酸カルシウム / 生体材料 / 骨補填材 / リン酸化 / 傾斜機能材料 |
研究概要 |
水酸化カルシウムを一軸加圧し、水酸化カルシウム圧粉体を形成する。水酸化カルシウム圧粉体をガス流通型反応器内で二酸化炭素と反応させ炭酸カルシウムブロックを調製する。得られた炭酸カルシウムブロックを種々のリン酸塩(NH_4塩、Na塩、K塩)水溶液と反応させブロック表面に炭酸アパタイト層を形成する。形成された炭酸アパタイトの組成および構造は粉末X線回折装置およびフーリエ変換赤外分光光度計で検討するとともに、ブロックの機械的性質を万能試験機で検討した。いずれの場合も炭酸アパタイトが生成するが、生成速度ならびに炭酸アパタイトの物理化学的特性は塩の種類によって異なっていた。Na塩では第1、第2、第3リン酸塩共に他の塩と比較して炭酸カルシウムが常に残存しており転移が遅いことがわかった。炭酸イオンの含有量は第1、第2リン酸塩ではNH_4塩<Na塩<K塩の順に増加したが、第3リン酸塩ではNa塩の場合が最も大きくなった。このことは反応時の液組成やpHの違いによる各イオンのアパタイトへの固溶量と関連していると考えられた。NH_4、Kはイオン半径がCaより大きいため固溶しにくいが、NaはCaとイオン半径がほぼ等しいため、自由に置換できると考えられる。さらに、炭酸アパタイトの生成において炭酸イオンがリン酸イオンと置換する場合負電荷が不足するが、NaとCaの置換がそれを補償することになるため炭酸イオン含有量が大きくなると考えられる。かように反応条件(リン酸塩の種類、反応時間、濃度等)を変えることにより、アパタイト相の厚みならびに組成を変えた傾斜機能型骨置換材をを調製出来ることがわかった。得られた骨置換材上での骨芽細胞の付着性については、コントロールよりも劣るものの、良好な接着性を示した。現在、増殖および分化能について実験を継続中である。
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